2012年8月29日にリリースされたサカナクションの7枚目のシングル
和を思わせるサウンドとスタイルに加え曲の展開が特徴的です
現代的和風サウンドが全体的に奏でられており
イントロのメロディも舞いを想像させる音から始まります
MVもメンバーが旅芸人に扮し、あえて正装ではなく少し着崩れた衣装とメイクが見て取れますし
メンバーの前にはダンサーとして日本舞踊家2名が登場しています
場所が富士山の麓であるのも日本を特徴づけています
カメラワークは途中で登場する女子高生の視点に見立てたものであり
サカナクションと彼女のMVにおける関係性が意味深なものにとらえられます
『大阪モード学園』CMソングであり、途中から登場するサビ2が起用されています
サカナクションのフレーズ毎に色を変えるという手法は他の作品でも見て取れ、今回でも遺憾なく発揮されています
各フレーズが独特の雰囲気を持つもひとつの曲として集約された絶妙さをもち
しかしつかず離れずの関係でひとつの曲として仕上がりを見せています
AメロBメロは弾むような軽快さを見せますが
Cメロは追い込まれるような重いサウンドに一転し
かと思えばDメロ(サビ2)ではその2つの側面を混ぜたような、CMでお馴染みの旋律が流れます
ほとんどが裏声なので重みは少し消え、少し奇妙さすら覚えるメロディです
MVと合わせてご視聴あれ
サカナクションワールドが間断なく施されたこの曲、曲調に合わせて歌い方を変える正統性でいくべきかは少し疑問です
例えばAメロBメロは比較的静かに、Cメロは騒いでDメロは不思議さ醸し出す歌い方をする
通常はこれでいけるのですが、各フレーズが何を表したものなのか、その真相が不確かであるため
若干のテコ入れや自分が思った雰囲気で歌うのがミステリアスさを表現できてよいかもしれません
おそらく軽い重いというよりは、不思議な感じを各所で出せればそれがこの曲だといえますので
メッセージ性うんぬんよりとにかくフワフワした独自の世界観を演出できるのが歌い方として適しているかと
ある意味感情なくサウンドの赴くままに従った歌唱がふさわしいのでは
とはいえせっかくMVに舞踊家が登場するため、どこか小奇麗さや奥ゆかしきさも出したいものです
つまり雑に歌うのではなく、歌に矜持を持たせるような感じが望ましいです
この世界観に酔いしれはすれど歌にするとなかなか難しいこの曲
まずは自身全身でこの曲を味わってみるのはいかがでしょうか