2004年7月14日にリリースされたHYのインディーズ3枚目のアルバム『TRUNK』収録曲
雪の降る景色と切なさを思わせるバラードソングです
歌詞も沖縄出身の同バンドの疑似体験に近いものがあり、東京に出てきたことによる文字通り「初雪」を見た際の気持ちの表れ
自分達が「この街」、つまり東京に来たことにより沖縄を懐かしむも、決めた道を進む半ば不安もある決意が見受けられます
ちなみに沖縄では雪は降らないかというと、1977年に久米島でみぞれが観測されているため降らないことはないそうですが
基本的には滅多に降らないことを踏まえると、雪の感動は計り知れないと思われます
Vo.新里が暖色、Vo仲宗が寒色を表すような二色構成であり、通常メロディが暖、サビが白をメインとした寒色をイメージさせます
屋内と屋外との対比もあり、二つの色を味わうことができます
メロディもAメロBメロは長調、サビは短調であり二つの世界が間髪入れずにガラリと変わりますが
テンポ自体はゆったりとしているのであまり違和感なく聴くことができます
とくにここぞという盛り上がりのある構成はありませんが、最後のサビの転調はやはり物寂しさを一層引き立てるものになっており
全体的にせつなさが全面的に押し出される結果となります
AメロBメロは難なく、サビも高音域は裏声を用いているので無理せず歌うことは可能でしょう
なんならサビは全て裏声でも物寂しさを表現できて手段としてはアリかもしれません
特に他の曲のように力強さをアピールする部分もありませんし、全体的にしっとりした感じを出せればよいため
きれいな旋律を自身も楽しみながら歌えばよいでしょう
とはいえこれは一般的に考えられる冬に入った際のエピソードではなく、沖縄から上京してきた彼ら目線であることを踏まえると
その寂しさはちょっと通常とは違い真新しさと故郷への懐かしみも含めたものとなっているため
初雪のせつなさはかなりオーバーに表しても差支えないかもしれません
冬の情景ををHYならではのせつなさで表現した曲
単なる冬のせつなさだけではとどまらない彼らの表現力を是非ご堪能あれ