2012年2月29日にリリースされた山下智久の5枚目のシングル曲
クールさを持つ曲調の中にどこか孤高な雰囲気を漂わせます
印象的なギターリフから始まり、まさにウェスタンな世界観と一人旅の憧れ、哀愁を持ち合わせた感じが第一にあり
その後曲調のメリハリを持たせつつも最小限の音でその雰囲気が味わえます
PVは山Pが白黒の荒廃した町や標識、車内などで一人旅を演じている様
間奏にあるセリフ中のバー内を除くバックグラウンドはややもの哀しさを覚えるもハッキリしすぎる山Pと合わせてみるとやや違和感がありますが
こういった世界観の曲を維持し続ける曲は最近あまり触れることがなく
曲としての構成を第一に考えるというよりは、その部分を最低限守りつつもあとは世界観重視でそれに浸れる感じがいいです
作詞作曲はそれぞれバンド「相対性理論」のティカ・α(やくしまるえつこ)と永井聖一
同バンドが得意とするリフによる曲の印象付けが、この曲でも如何なく発揮されていると言えます
ドラマ『最高の人生の終り方〜エンディングプランナー〜』の主題歌であり
曲のタイトルは映画『パリ、テキサス』のオマージュです
とにかくクールな格好よさがり、それこそ五月蠅さやシャウトとは無縁の静けさにうっとりするような世界観がいいです
その世界観は独特な歌詞の言葉選びからも味わうことができ
マズル(銃口)やディアブロ(悪魔)のような少しキザっぽさと語呂のよさは巧妙といえます
また歌詞に描かれている主人公はどういった状況なのか
何かいたたまれない状況にいるようにも捉えられるが、その悩みや闇が彼の背景にどう蠢いているのか
それを仄めかすような記述の曖昧性が想像力を刺激します
曲の雰囲気を味わいながら、自分が物語の主人公になったつもりで歌うのもいいですが
一種の独りよがりさが出てしまうと聴く側としては少し鬱陶しさを覚える一面も
適度に曲調を出しながら、周囲がこの雰囲気になじめているか顔色とを窺う気遣いもいるかもしれません
それくらいこの曲は歌い手の存在の良しあしが出てしまいます
この曲の歌詞は歌い手にとっては違和感ない発音ですんなり進めることができます
また韻の踏んだサビなどは面白みが味わえ、サウンドとシンクロしたような気持ちになります
間奏のセリフ部分は少し恥ずかしいですが、曲を選んだ以上雰囲気を出して言いたいところです
男の孤高と哀愁を醸し出したこの曲
そういった感情に浸りたい場合にオススメといえます