2003年3月5日にリリースされた倉木麻衣の15枚目のシングル曲
季節の移ろいと愛しい人への思いを馳せたせつない曲です
倉木麻衣自身が当時立命館大学衣笠キャンパスに通っていたこともあり
日本の四季の素晴らしさ、特に自身が過ごした京都における季節感の情景が多彩な言葉で表現されています
タイトル自体も時間の移り変わりを表すものとなっており、その季節感、つまりは時間の経過を
愛する人との別れから更なる巡り合いを期待する淡い想いと結びつかせ、その想いの変化が描かれています
映画『名探偵コナン 迷宮の十字路』の主題歌でもあり
同作品の舞台は京都、そこで繰り広げられるミステリーと京都の数々の名所のシーンはその場所の歴史も表れており
まさに同曲がマッチしているといえます
ちなみにこの曲自体は映画とは別に作られており、後に主題歌として選出されたのこと
アコースティックの旋律を終始メインとし、特にサビの盛り上げもそれ程お大きなものはなく
おしとやかさにも短調で切ないイメージが一貫して起こり続けます
歌詞自体も和歌や詩に分類されるような季語であったり情景を思わせる単語を使用しており
例えば花御堂は旧暦4月8日の釈迦の誕生を祝う行事、薄氷は春先に氷が薄く張っている様を表す春の季語
薄紅色は桜の情景が思い出されますが、全国的には弘前公園や吉野山などが有名です
京都においては平野神社や府立植物園などと、まぁ季節感と恋模様の表現に一役買っています
四季といっても基本的に春先の情景を表した部分がメインとなっており
季節の始めを表しつつも、桜の儚さなど季節の移り変わりを表すには十分といえます
季節はじめを表しているも、そこに移るのは恋の淡い期待、めぐりあわせという神頼みの様に可能性は低いものを描いています
よってその薄い期待を込めたせつなさを、ブレスなどを使い表現するのが適切といえます
各所に散りばめられた単語も意識し、歌うというよりは音程に乗せて詩を「読む」感じの方がこの曲のらしさが出るかもしれません
是非一度春に京都へ行き、その情景を肌で味わうと一層歌う際の心の持ち方に変化が出そうですが、それは別の話
あまり緩急もなく、高音も裏声を用いればよいので男性でも比較的歌いやすいといえますが
そのブレのない切ない部分を会得するのに少し苦労しそうです
倉木麻衣の切ない曲は他にも存在しますが
恋愛のに対するせつなさを純粋に出すというよりは、そこに上品さや季節性も見出すという必要性が出てくるため
それをどう表現するかがポイントです
四季の移ろいを感じさせる風物詩ともいえるこの曲
特に春先を感じさせるにはオススメといえます