2007年4月4日にリリースされたGLAYの36枚目のシングル曲
スローテンポなロック調で繰り広げられる世界感は今までのGLAYにはない異色を放つようです
この作品自体はワルツを意識し、しかし8分の6拍子で音の強弱が各フレーズハッキリして描かれています
大地や空、時代のような広大なイメージのワードが多数使用されていますが
それらはタイトル「鼓動」にもあるようにその上で生きるのは人間一人一人であり
悲しみや願いがこういった広い空間の上をめまぐるしく行き来しているといった感じです
他に歌詞には「語りなさい」や「あの時代」のように「人」という当事者とは違った視点のように捉えることができる箇所があります
広大なイメージから人や世界を客観視する存在「神」かそれに類似するエネルギーを持った何かの視点のように感じられますが
「この鼓動」という歌詞から自らも鼓動は存在する、つまりは生物であることはうかがえます
映画『大帝の剣』の主題歌であり、関ケ原の戦い以後の時代背景における宇宙規模の物語が繰り広げられ
まさにひとつの視点にとどまらない同作品にふさわしい曲といえます
PVはメンバーの映像と映画の映像が入り混じるという珍しいものであり
さらに大抵は映画のシーンとなっています
個人的にはワルツっぽさは感じられませんが、そのリズムから曲の独自性が聴いてとれます
踊るにふさわしい曲ではないですが、自分の体は小刻みにこのリズムをとってしまい、それこそ鼓動がシンクロしているよう…とまでいうと流石に大袈裟ですが
鼓動、及び今生きる時代が躍るような曲をコンセプトにしているかもしれません
また曲全体でストーリー性があるような構成になっており
Aメロは静かに、Bメロで盛り上げ、サビのメロディを主流としてそれが繰り広げられる感じです
箇所によってはエレキ、アコギの音を使い分け、サビのストリングスなんかはまた違った雰囲気をもたらします
GLAYの曲に思いを込めるような歌い方はどの曲に関しても言えることですが
この曲は特に各所においてのメリハリをつけるとそれらしくなります
Aメロは静かに、Bメロが盛り上がり、サビは最初少し静かになる感じです
他の有名な曲とは違いこの曲自体はキーは高くない為そこは大丈夫かと
Bメロが少し高めですがそこさえ歌えれば音程に関しては問題ないかと思われます
また自分の中でも小刻みな6/8拍子を設け、全体でリズムを感じながら歌うと感情移入しやすいです
とはいえ他のノリノリな曲みたいではなく、自分の心の内で静かに燃えるような「振動」のようなリズムがふさわしく
特にサビではそのリズムが顕著になるかと
最後の「人の世ほど愛しいものはない」は潔く歌い切り、余韻は残さずバックサウンドに曲の終わりを委ねた方がいいです
広大な、しかし多少ゆったりとして重い安定感のあるようなこの曲
しかし内に秘める熱い思いがちらつき、静かな熱さを感じるにはオススメの曲です