2005年5月18日にリリースされたL’Arc〜en〜Cielの27枚目のシングル曲
切なさと壮大なスケールの世界観をもつバラードです
叙情的とは感情を表し述べることであり、特に音楽においては「もの哀しさ」を表すのにも用いられ
叙事のような事実や事柄などをありのままに述べることとは対義的に使用されます
その意味の通りこの曲はVo.hydeの持つ心の世界観を惜しげなく表したような曲であり
そのスケールや心情が曲調から聴きとれます
以前にリリースされた『瞳の住人』に次ぐスローテンポな曲であり
あちらと比べると音程の幅は小さく派手さには欠けますが
短調なサビのメロディとpvを合わせたスケール感は他曲とは一線を画していると思えます
この曲で大変高い評価を受けるのがPVです
ルネサンス期及びロココ期の、当時の西洋美術が多数用いられ
この曲の世界観を一層広げるものとしています
代表的な作品として最初のサビではヴェチルーベンスの「三美神」やブロンズィーノ『愛の寓意』
2回目のサビはトマ・クチュールの『退廃したローマ』などが用いられている模様
更にhydeの心情を写真の中に入り三次元的に味わう手法がとりいれられ
二次元の芸術を文字通り多角的に見ることができるのも効果的かつ幻想的であり
PV自体が一種の芸術として完成しているようです
この作品自体は平成17年度の文化庁メディア芸術祭のエンターテインメント部門審査委員会推薦作品に選ばれています
本人の感情は本人しか表すことができないように
hydeの感情を表したこの曲はhyde自身しか表現できないのでは?とも思えます
ラルクは独特な溜めとファルセット、チェストボイスを用いるため
それが早い曲ならまだしもこの曲のようにゆったりと聴かせるということになると至難
この高尚な曲をどう表すかというと、これはもう自分の叙情的な部分を出して歌うほかありません
シンガー各々の感情に身をゆだね、それが吉と出るか凶と出るかはリスナーの感想を聞くまでわかりません
サビはのどを開いた聴きごたえのある歌いかたとファルセットを用い、自分なりの世界観で試してみましょう
これだけ壮大なPVとはいえ、一人の人間の心情であるなら、それを広げるには必要なのは経験と想像力です
人の心情とはいえ、壮大なスケールを描いたスローバラード
聴いていないひとは是非PVと合わせて聴いてみてください