2001年5月16日にリリースされた、スピッツの23枚目のシングル曲
幻想的な演奏が人の感覚に歌えるようなミディアムバラードです
この曲が持つ特長的なイメージは人の心を惹き寄せるなんらかの力があるようであり
特にスピッツの曲の中では好きという人が多いです
自分が密かに目指している遠い遠い「遥か」
そこに順調に届いている気がしたけど、実は届いていない
いつか到達したい人の心理と、それでも簡単には届かない現実との葛藤を円やかに描いたファンタジー色の強い印象があります
ドラマ「Love Story」の主題歌
このPVは主人公の女性がスピッツのメンバーと段階を踏むごとに物々交換を行っていく一種のわらしべ長者のような感じであり
最初に与えられたりんごからどんどん交換を重ねていきます
ランプ、鳥とかご、時計、馬という感じに、それぞれが表す意味は定かではありませんが
時計との交換時、女性の方から自主的に交換を差し迫る場面が見える点から、女性が望んでいたものが手に入りつつあることがうかがえます
しかし最後の馬との交換は受動的であり、更に馬はいつの間にかいなくなってしまいます
そして最後にまた現れたりんごと隣の家内にいるスピッツメンバー
騙されたはらいせなのか、りんごを家の窓に向かって投げる女性、そしてまた吸い込まれるようにして消えるりんご
最後の場面は最初にりんごが手に入ったシーンがまた見え、ループしていくようです
自分が求めて手に入ったものは結局届かない遠い「遥か」なものであるというメッセージがあるのでしょうか
特に最初にどこからともなく落ちてきたりんごは、昔から神話などでよく登場する神秘的な果実であり
そういった点もこの曲の幻想的な部分を助長させます
このPVを自身で見てもらい、いろいろな思いに馳せてもらうことをオススメします
Vo草野の透き通るような、心の内の芯まで届くような声があってこの曲は成り立つようなものですが
それをイメージして、力まず、頭の中心から声が抜けていくような感じがこの曲には適しています
しかしサビはある程度高音であり、力まずにその声を出すのは至難
決して濁った声にならず、ミドルボイスでも裏声でもいいのでこの曲のイメージを壊さないようにしたいものです
幻想的で人の心を震わすようなこの曲
それぞれこの曲が持つメッセージ性を読み取り感慨にふけっていたいです