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森山直太朗 『風花』 春のような冬を思わせる風の如く

風花 森山直太郎

http://youtu.be/6JJnIMJTOY4

2005年11月16日にリリースされた森山直太朗の9枚目のシングル
情景が浮かぶような歌詞と綺麗で切ないメロディが印象的な曲です

「風花」とは晴れた日に降る雪を表す季語であり、「花」というと桜または梅を表す春の風景を思い出しそうですが
愛することの意味を切ない表現をすることで少し後ろ向きな、春より寒い冬をイメージすることも難しくはなさそうです

PVは浅田舞がリンクで滑走しているシーンが延々と流れ
こちらは冬のしんみりというよりは美しさ、淑やかさが窺えるため多少曲の印象も変わり映えるようです

歌詞中には旧約聖書におけるアダムとイヴと思われる者たちが描かれ
人類初の愛を育む姿と、エデンからの追放などから愛の意味を深く取り上げるきっかけの題材にふさわしいエピソードといえます

他にも「追憶の舟」や「堕天使」など、それらを彷彿されるワードが見受けられます

連続テレビ小説『風のハルカ』主題歌でもあります


流れるような寂しい曲はまさに風の中の風花

一貫して曲の雰囲気を壊さない、途切れぬ冷風のような印象がこの曲には吹き続けているように見えます
それこそ森山直太朗の風景歌唱力が存分に発揮され、まさに歌い手がその風そのものを表すような声の流れと奥行きが聴けます

歌詞における季語と聖書の融合は、和と洋のギャップから少し違和感を覚える点もありますが
その豊富な語彙力は情景をいろいろ想像させるのに役立ちます

そもそも「風花」が冬の季語であるとは視聴者が予測できないことを考えると
冬を表しつつも春に近い温もりや爽やかさも表現させたかったのではないでしょうか


歌うなら?

「さくら」のようなしっとり系というよりは、もう少し「動」の要素が大きく変動的であり
しゃくりを多く用いて地声と裏後が忙しく変わる波のような曲でもあります

そこに情景をプラスした歌い方をする必要もあるため
ある程度音程を理解してから情景は後々付け加えていく方がいいかもしれません

また力強さもあまり必要はなく、自然の力の働きが歌を上下させるような感じがあり
風をつくるというよりは、この曲が持つ風に流れるままに、力を抜いて身を任せるような音取りがふさわしいといえます

それでも次第に情景を想像させるよう、また眼前に奥行きが芽生えるような
とにかく自然と一体になり、自分を忘れるような集中力を歌に込める雰囲気が歌をよいものにします

春のような冬を表す風のようなこの曲
自然と情景を表す流れにその身が漂うような雰囲気を味わってみませんか
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