カテゴリー別アーカイブ: 幻想的な曲・ミステリアスな曲

木村カエラ 『どこ』 どこへとも向う心の動きの面白さが詰まった曲

どこ

2009年1月28日にリリースされた木村カエラの13枚目のシングル
自分の拠り所や様々な感情の表れを描いたミディアムバラードです

木村カエラの中では初のバラード曲となり、自分の心がどういった感情なのか、それを場所にたとえて喜怒哀楽を表現し
人の気持ちの移り変わり、いわば人間らしさを描いています

以前まで描いたことのないバラード曲を今作は自身との共作ではなく作詞作曲を委託しており
木村カエラらしさというよりは、他者の感情をカエラ自身が客観的に歌った作品となっています

バラードとはいえ悲しみを煽るようなものというよりは
ある程度ポップさを残し、むしろ曲がリスナーに問いかけをしているともいえます

心はどこへ行くのか 千差万別の心の表れ

上記の通り心の様々な感情を歌詞で表しており
温かみ、冷たさ、落ち込み、励みなど、まさに様々な心情となるのが心であり
今はどこへ向かっているのか?そういった心のアクティブさそのものが人として素晴らしいものであることを強調しています

よってひとつの感情を描いてその方向にリスナーを持っていくのではなく
むしろ心の様々な動きを観察し、共にそれを肌で感じるようなものとなっています

どこへ行くといっても自身がその感情になるが故に心もそうなるものですが
それでも無意識に怒ったり、笑ったり、泣いたり、自分が思ったのとは違う感情の表れは起こるものです

そういった歯止めのきかない側面もあるため、心に委ねきった自分の真意はやはり心の動きを掴み切れていない
そういった意味で次はどこへ向かうのか、自身も分からないことの興味深さなどが歌詞に見て取れます


歌うなら?

バラード調ですが、泣きへ向かわせるテーマ性はないため
そういった感動ものというよりは、正統バラードっぽさながら不思議ワールド全開で問いかけるような優しい歌い方がグッドです

サビはキーが上がるため、若干叫ぶような歌い方になりますが
それは決して悲しい感情ではなく、なにかしらの開放感も踏まえた心の不可思議さを楽しむような部分であるため
サウンドに素直な感情を乗せて歌えば曲の真髄に深く関わりをもつことができます

韻を踏んでいるためテンポを少しいじってでもリズミカルな歌い方をするのが適しています

あらゆる場面で自分の感情がどこへ向かうのか
自分でもわからない心の動きに面白みをもって体験するのもまた冥利です

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GARNET CROW 『As the Dew』 テンポよくクールさとダークさが両立する曲

as the dew

2010年2月10日にリリースされたGARNET CROWのアルバム『THE BEST History of GARNET CROW at the crest…』収録曲
ダークながらもテンポよくクールな曲です

2作目となるベスト盤であり、31作のシングルにこの曲を加えたものが発売されており
シングル化はされていませんが、それに類するポテンシャルを持っているといえます

「DEW」は「露」を表し、どこへいくともわからぬ己の心を不特定に発生する露の如く不可解で冷めた感じに例えており
それでもまたどこかへとたどり着きたい哀しさも表しています

アニメ「名探偵コナン」主題歌


終始ムードづくりに貢献するピアノ伴奏がエクセレント

流れるようなピアノが歌唱時でも間奏時でもかなり雰囲気づくりのトップに位置し
ジャズ的な、それでいて深く暗いムードを維持する役作りにもなっています

そのほかにもギターの鋭さやピッコロの様な寂しさを思わせる高音も入り混じり
ダークだがそれに引きずられることなく淡々と曲が進みしっかりと曲を終わらせてくれます

短調な曲はそこからくる違和感やマイナスな雰囲気をリスナーに根づかせ視聴後も考えたりすることが多いですが
曲としての構成力がかなり高く、意外とスピーディに場面が変わるためリピート率も高くなります

メロディもよく、独自の世界観を持っていて好きな人は好きな曲といえるでしょう


歌うなら?

女性ボーカルながら怪しさと格好よさを秘めたバックサウンドとの調和があり
出だしもかなり低音なので雰囲気づくりには丁度いい音程です

しかしサビはある程度高く、音程も段階的ですがあちこち行き言い回しも早いため少し難易度は高めかと

テンポがよいため独自にズラして曲調を変えるよりは、伴奏にしっかり合わせタイミングよくキレのある歌い方を意識したいところ

ムードはサウンドがカバーしてくれるため、歌い手としての役割をしっかり果たしていきたいです

クールダークでテンポよく進むこの曲
こういった雰囲気に魅了される人もいるのではないでしょうか

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L’Arc~en~Ciel 『MY HEART DRAWS A DREM』 夢を描く壮大さを描いた曲

My HEART draws a Dream

2007年8月29日にリリースされたL’Arc~en~Cielの31枚目のシングル
夢を描く広大さを表した曲です

曲調は低音のAメロから一気にサビで上昇するような落差を感じ
その勢いはロケットのようにどこまでも高度をあげます

出だしのギターソロから既に曲調としては美しい雰囲気を臭わせており
その後滑空から飛翔へのストーリーが繰り広げられます

「スバル・レガシィ」のCMソング


圧倒的壮大さが描く未来の無限の可能性を感じる

聴きどころはなんといってもサビのインパクトあり開放感をも覚えるメロディ
どこまでも飛翔していく音程の組み合わせはいずれ大気圏を越え浮遊感を思わせるまでに到達します

かなりの上空域で夢が描かれており、多少現実からは離れたファンタジックな曲であり
違う世界で想像力を働かせるような感覚を望む場合にオススメです


歌うなら?

聴く側からすれば壮大さをイメージできてとても感銘を受けるメロディなのですが
歌うとなると音域の広さと迷子になりがちな音程の配置に骨が折れます

裏声が得意な場合は歌いやすいですが、まるで縦横無尽に飛ぶように音程の落差が激しいので
多少リズムを遅らせてでも音程をしっかりと取っていく必要があります

かろうじて曲調自体はメジャーでありそれ程つかみどころのない音程をとっているわけではないので
離れた音でも曲調を掴めれば自然と外さずにとることができる部類の曲ではあります

ラルク自体それ程早い歌い方ではないため、自分のテンポで一つ一つ丁寧に歌っていきたいところです

夢を描く真の素晴らしさ、無限の可能性を感じるこの曲
ミディアムテンポな壮大さを味わう場合にオススメです

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BUMP OF CHICKEN 『宇宙飛行士への手紙』 広大さと時間を思わせる曲

宇宙飛行士の手紙

2010年10月13日にリリースされたBUMP OF CHICKENの18枚目のシングル
ミディアムテンポで繰り広げられる世界観が安らぎと広大さを与えてくれます

構成としてはタイトルの手紙の内容が歌詞となっているかのごとく
宇宙と地球とでの距離や時間の違いを表すように、愛する人との過去と未来やその距離感について描かれています

時空を超えた表現を比較対象として今の大切さを描くとともに
少し実現できるか不思議に思う出来事も宇宙の神秘と可能性と重ね合わせて実現できるかも?と思わせるようなファンタジックな挑戦事項も記されています

ドラムが4つ打ちでリズムにこれといった特徴を与えないことで一定の空間を与え
宇宙の持つ不可思議さからくる恐怖も薄れるくらいの安定感を得られるかのようです

PVにおいても主人公は常に宇宙服を装着しており
親しい相手との写真の中でもヘルメットは常につけていることから、宇宙並びに飛行士への憧れを持って手紙を出した張本人でしょうか
または時空を超えて手紙を受け取るのもまた本人かもしれません


宇宙と思えば宇宙、サビと歌詞の時間軸表現は壮大

サビはとてもBUMPらしく最高音でのトーンは安定した伸びと震えがあります
ミディアムテンポの安定性も然り、想像力豊かな比喩も神秘的ですが少し考えるとなかなか複雑です

愛する人への想いの綴りを中心に、過去に後悔しても仕方ない今と、今を後悔しない未来をつくるための自分のあり方は時間軸を超えた表現としてとても宇宙的です

このようにかなり時間軸をメインに据えた歌詞は少し解釈に時間を要するような構成となっています

稲妻に関してもその速度から「見る」という表現はあまり適していませんが
その成り立ちも時間の積み重ねによって「落ちる」という事実ができるわけであり、時間の流れの視点を変えれば生き抜いたようにも見える、それだけの時間を要してはいる風にも捉えられ

まさに生きる人の数だけ時間の視点も違いが生まれるように思えます


歌うなら?

激しさはあまりなく、神秘さと広大さを感じるような曲であり
しいて言うなら「天体観測」より「プラネタリウム」よりの歌い方が欲しいところ

曲のリズムにひたすらついていく必死さよりは、余裕を持ち時間をつかって大きく表現したいです

特に暗い表現に関して大きなシーンはなく、安定して広大さの強弱をつけるくらいがメリハリのつけかたとしてはふさわしいと思われます

時間と宇宙について触れ合えるこの曲
今までのそしてこれからの時間についても自身の経験を踏まえて考えたいものです
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ORANGE RANGE 『*〜アスタリスク〜』 星の流れを思わせる幻想的な曲

アスタリスク

2005年2月23日にリリースされたORANGE RANGEの9枚目のシングル
流れる星の幻想的な雰囲気をアップテンポに乗せたナンバーです

インディーズの頃から歌われていた曲であり、当時は『星』というタイトルだったものが
記号をタイトルとすることのメンバーの賛同により現在の形となっています

PVでは星と交信するように規模の大きいアンテナなどが使用されており
真冬に撮影したものであるため全員ダウンジャケットなどを羽織っています

アニメ『BREACH』主題歌であり、この作品を飾る最初のOP曲として起用されています


目指すは宇宙との交信 星の瞬きを思わせるメロディの数々

高低交わる機械音が曲に不可思議さや幻想的な部分を表すも
テンポ自体は速くラップも踏まえたサビやメロディが更にメカニックな部分を強調します

サビのラップはまるで交信を図っているかのようなイメージもあり
サビで繰り返し使われる多少のメロディだけでもこの曲を印象づけるに足るものがあります

星もリズムも脈打つように新鮮味のある躍動感を思わせ
神秘的な部分を円滑に魅せているといえます


歌うなら?

サビは歌い続ければその滑らかなリズムとサビのメロディにハマる可能性は高いので
サビでこの曲に意欲を持ち、後の部分は地道に覚えていく他ありません

Bメロもサビへ繋ぐ架け橋として多少のメロディが採用されているので
サビの枠を覆うようにサビつながりで少しずつ覚えるのが良策でしょう

認知度は高いのでサビ以外もしっかり覚えたいものです

流動的な星を思わせるハイテンポなこの曲
神秘的な部分も兼ね備えておりリピート性も高そうです

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サカナクション 『夜の踊り子』 和風で不可思議なサウンド溢れる曲

夜の踊り子

2012年8月29日にリリースされたサカナクションの7枚目のシングル
和を思わせるサウンドとスタイルに加え曲の展開が特徴的です

現代的和風サウンドが全体的に奏でられており
イントロのメロディも舞いを想像させる音から始まります

MVもメンバーが旅芸人に扮し、あえて正装ではなく少し着崩れた衣装とメイクが見て取れますし
メンバーの前にはダンサーとして日本舞踊家2名が登場しています

場所が富士山の麓であるのも日本を特徴づけています

カメラワークは途中で登場する女子高生の視点に見立てたものであり
サカナクションと彼女のMVにおける関係性が意味深なものにとらえられます

『大阪モード学園』CMソングであり、途中から登場するサビ2が起用されています


各フレーズが持つ特徴と展開力に興味

サカナクションのフレーズ毎に色を変えるという手法は他の作品でも見て取れ、今回でも遺憾なく発揮されています
各フレーズが独特の雰囲気を持つもひとつの曲として集約された絶妙さをもち
しかしつかず離れずの関係でひとつの曲として仕上がりを見せています

AメロBメロは弾むような軽快さを見せますが
Cメロは追い込まれるような重いサウンドに一転し
かと思えばDメロ(サビ2)ではその2つの側面を混ぜたような、CMでお馴染みの旋律が流れます

ほとんどが裏声なので重みは少し消え、少し奇妙さすら覚えるメロディです

MVと合わせてご視聴あれ


歌うなら?

サカナクションワールドが間断なく施されたこの曲、曲調に合わせて歌い方を変える正統性でいくべきかは少し疑問です
例えばAメロBメロは比較的静かに、Cメロは騒いでDメロは不思議さ醸し出す歌い方をする
通常はこれでいけるのですが、各フレーズが何を表したものなのか、その真相が不確かであるため
若干のテコ入れや自分が思った雰囲気で歌うのがミステリアスさを表現できてよいかもしれません

おそらく軽い重いというよりは、不思議な感じを各所で出せればそれがこの曲だといえますので
メッセージ性うんぬんよりとにかくフワフワした独自の世界観を演出できるのが歌い方として適しているかと

ある意味感情なくサウンドの赴くままに従った歌唱がふさわしいのでは

とはいえせっかくMVに舞踊家が登場するため、どこか小奇麗さや奥ゆかしきさも出したいものです
つまり雑に歌うのではなく、歌に矜持を持たせるような感じが望ましいです

この世界観に酔いしれはすれど歌にするとなかなか難しいこの曲
まずは自身全身でこの曲を味わってみるのはいかがでしょうか

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嵐 『MONSTER』 秀逸な世界観と展開力が売りのダークファンタジー曲

monster 嵐

2010年5月19日にリリースされた嵐の30枚目のシングル
ダークファンタジー色強いブラックポップな曲です

タイトル通りモンスターが真夜中にひそかに出現するようであり、その後様々な変調を繰り返し独特の世界観が聴く人を虜にします
ここまで積極的に展開を繰り返す曲も昨今では珍しく、その中にも各所ストーリー性がありかなり楽しめます

モンスターの登場によるおどろおどろしさが続くのかと思いきや、何か彼らの切ない一面も見え
しかし現代のJ-POPのようなサビもしっかり押し出しつつ間奏ではダンスを踊るかのような
とにかくその目まぐるしさはホントに飽きさせないつくりとなっており大変秀逸です

ドラマ『怪物くん』及び『映画 怪物くん』の主題歌にもなっており
主演演じる大野をメインとしたPVも時計を背景としており、怪しさが窺えます

一場面ではメンバー全員が違うダンスをする「モンスターダンス」なるものが見受けられます


前奏及び圧倒的展開力が魅力

序盤はこのまま怖い雰囲気の曲が続くのかと思いきや、深夜の静けさあるいはモンスターの違った側面を見せられるようなしっとりした演奏への展開への切り替わり

その後ゆったりした怖さにアダムスファミリーを思い出すような曲調が含まれるのも意識してのことか
BメロではここにきてよくありそうなJ-POPの曲調が見え、サビでもそれをかもしつつ特徴的なメロディが心に響きます

間奏も思い切って雰囲気を変え、まるで不気味なシンデレラのようなダンス会場における踊りを見せられるような曲調であり
時刻を知らせるようなバックサウンドから一転してまた怖さメインの曲調へと戻ります

この展開力が同曲の大きな魅力であり、思い切った展開が功を奏して聴き続けることができます

個人的にはバイオリンの前奏も魅力であり
焦りを感じさせる出だしと二度目の前奏のメロディが好みといえ
何かこの後の展開を期待してしまいます


歌うなら?

曲調の展開力が既にこの曲の凄みを出している時点で歌い手はかなり優位な地点で歌うことができます
各所の曲調に合わせて歌えばそれだけで雰囲気にメリハリが出るため、そこを意識すればよいかと

Aメロ前半は隠遁な感じを、後半はブラックコメディっぽく、Bメロからサビは正統派路線で歌うのが適当かと思います

多少気をつけるとすればサビの「僕の気持ちが」の「が」の部分がサビの短調な部分をかなり表しているので
ここに関しては音程を外したくないですね

ダークファンタジーで世界観丸出しのこの曲
変わった、しかし聴ける曲をお探しなら是非ともオススメです


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森山直太朗 『風花』 春のような冬を思わせる風の如く

風花 森山直太郎

http://youtu.be/6JJnIMJTOY4

2005年11月16日にリリースされた森山直太朗の9枚目のシングル
情景が浮かぶような歌詞と綺麗で切ないメロディが印象的な曲です

「風花」とは晴れた日に降る雪を表す季語であり、「花」というと桜または梅を表す春の風景を思い出しそうですが
愛することの意味を切ない表現をすることで少し後ろ向きな、春より寒い冬をイメージすることも難しくはなさそうです

PVは浅田舞がリンクで滑走しているシーンが延々と流れ
こちらは冬のしんみりというよりは美しさ、淑やかさが窺えるため多少曲の印象も変わり映えるようです

歌詞中には旧約聖書におけるアダムとイヴと思われる者たちが描かれ
人類初の愛を育む姿と、エデンからの追放などから愛の意味を深く取り上げるきっかけの題材にふさわしいエピソードといえます

他にも「追憶の舟」や「堕天使」など、それらを彷彿されるワードが見受けられます

連続テレビ小説『風のハルカ』主題歌でもあります


流れるような寂しい曲はまさに風の中の風花

一貫して曲の雰囲気を壊さない、途切れぬ冷風のような印象がこの曲には吹き続けているように見えます
それこそ森山直太朗の風景歌唱力が存分に発揮され、まさに歌い手がその風そのものを表すような声の流れと奥行きが聴けます

歌詞における季語と聖書の融合は、和と洋のギャップから少し違和感を覚える点もありますが
その豊富な語彙力は情景をいろいろ想像させるのに役立ちます

そもそも「風花」が冬の季語であるとは視聴者が予測できないことを考えると
冬を表しつつも春に近い温もりや爽やかさも表現させたかったのではないでしょうか


歌うなら?

「さくら」のようなしっとり系というよりは、もう少し「動」の要素が大きく変動的であり
しゃくりを多く用いて地声と裏後が忙しく変わる波のような曲でもあります

そこに情景をプラスした歌い方をする必要もあるため
ある程度音程を理解してから情景は後々付け加えていく方がいいかもしれません

また力強さもあまり必要はなく、自然の力の働きが歌を上下させるような感じがあり
風をつくるというよりは、この曲が持つ風に流れるままに、力を抜いて身を任せるような音取りがふさわしいといえます

それでも次第に情景を想像させるよう、また眼前に奥行きが芽生えるような
とにかく自然と一体になり、自分を忘れるような集中力を歌に込める雰囲気が歌をよいものにします

春のような冬を表す風のようなこの曲
自然と情景を表す流れにその身が漂うような雰囲気を味わってみませんか
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平井堅 『fake star』 スター目線から孤独感を綴ったダークナンバー

fake star

http://youtu.be/TZ2u-iMf0qE

2007年9月12日にリリースされた平井堅の27枚目のシングル
世の中に蔓延る偽りをスター目線で紐解くようなアップテンポなダークナンバーです

平井堅自身多くのヒット曲をリリースし、今やスターといえる存在ですが
そういったポジションにおいて感じる孤独や偽りの感覚といったもののも従来とは違った形で存在します

スター目線で描かれる歌詞にも、他者と行き着くところは同じようなそういったマイナスな心境をシンクロさせ
位置は違うとも荒んだ感じは類似している、そういったギャップと同一視の両側を捉えた作品だといえます

曲調もかなり挑戦的に変化に富み、危機感をも募らせるような不安が漂うシーンも見受けられます

明治『Fran』CMソングでもあります


fakeは自分自身?ミステリアスな曲調と意味深な歌詞が特徴

前奏から怪しいアコギの旋律と声色が今までにはない雰囲気を持ち
Aメロ後半からBメロにかけては不安を煽るような曲調があり

間奏においてはジャズのような演奏があるなど、かなり変動的であるといえます

歌詞ではスターであろうがなかろうが詰まる所自分が求めているものに対してそれは偽りであり
それが「you」であったり「me」であったりなど、誰しも抱える可能性のある状態であることが窺えます

「wanna be a pop star」という歌詞からも、現状の違和感に気づき抜け出したい思いを持ちますし
平井堅自身がリリースした「POP STAR」から持ってくる点も興味深いです


歌うなら?

裏声を用い、感情を持って歌うもかなり音程が右往左往するのが特徴であり
さらにそれに必死についていく姿はなく、余裕をもった歌い方が必要なのが少々難関

なんたって歌い手は皮肉にもスターであり、偽りにいたたまれない思いがあろうともそれを聴衆に見せてはいけない
プライベートすらきりもりする存在であるが故、そこに全面的な憤りや疲労を見せるのはこの曲らしくないのです

やりきれない思いを匂わせつつも、それを隠している、そういった雰囲気を漂わせながら歌う微妙な感じがふさわしいといえます

これが平井堅の持つ、静かだが臨場感溢れる歌い方にフィットしているため
冷静だが冷静じゃないニッチなニュアンスを意識して歌に臨みたいところです

どういった立場でも抱える問題
スターの立場から味わう体験、考えながら聴いてみてはいかがでしょうか
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KREVA 『挑め』 力強さとトリッキーな歌詞満載の曲

挑め kreva

2011年2月16日にリリースされたKREVAの14枚目のシングル
タイトルからくる挑戦的なサウンドと歌詞が特徴的です

ものごとに対する自身の挑戦の表れ、もしくは挑戦する人に対する激励歌ともとれます
なんにせよ後ろ向きさは少なく何事にも歩み続ける力強さが多くの箇所で見られます

PVは白色の屋内に描かれる3が入る数を除いた108までを入り交えたムーブメントのシーンが流れ続け
堂々たる一面やナンバーの意味深さが見え隠れします

ちなみにこの曲自体は、KREVAを尊敬するHilcrhymeに対する返答の可能性もありますが、その辺は割愛を


敢えて3を言わないテーマ性を持たせた仕掛けの多い歌詞が興味深い

歌詞を見ているとわかりますが、本来「3」がつく諺や固有名詞を並べつつ、あえてその数字をいわないという形式がとられています

数字を言わないというスタイルは水面下ではなく全面的に押し出され、別の言葉を用いて表現されています

「仏の顔」「石の上に」などや「ALWAYS」「東京事変」などの固有名詞も使われており
特にそれらを否定するというわけではなく、ただそのスタイルを貫くために登場してもらったという意味合いが大きいです

ちなみに東京事変は代表曲「能動的3分間」から連想したものです

こういったいわゆる「言葉遊び」は視聴者にとっても興味深く、思わず探してみたくなります円


歌うなら?

KREVAの独特の歌詞の言い回しやリズムとりは他作品と不変、何度も聴いてそのクセを会得し合わせていきたいです

またこの曲の主題である「3を言わない」部分をピックアップし、特に強調させたい部分として歌唱時には他のシーンと比較してアクセントをつけていきたいところです

挑むのは歌い手か、それとも聴いている人達か、その両方ともとれる力強さを自身にも他者にも投げかけていく気持ちで
双方に対応する意気込みを持ち、皆すべからく意識すべき事項としてメッセージ性を乗せるのも肝心です

力強さと興味深い歌詞が特徴的なこの曲
いろいろ考察できる楽しみももちながら聴いてみたいです
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