カテゴリー別アーカイブ: 切ない曲

BONNIE PINK 『Water me』 人を助ける大切さ、難しさを描いた曲

water me

2007年6月6日にリリースされたBONNIE PINKの23枚目のシングル曲
人に何かをすることの優しさ、難しさ、強さを伝える切ないスローバラードです

テレビドラマ「わたしたちの教科書」の主題歌であり
学校を舞台に起こる様々な人間関係、社会問題に奮闘する子供・大人達を描いた様が反映されているかのように
この曲でも誰かの助けを呼ぶ声、誰かを助ける声が聞こえるようです

誰かに手を差し伸べることの大切さを伝えるために、この曲では助けを求める側を花に例え、その視点からもその様子を描いています
タイトルのWater meは「私に水を与えて」という今にも枯れそうな花が発する危機迫る助けを呼ぶ声であり
それに気づき、かつ行動できるか、群集に惑わされる中で自分はどう行動すべきなのか

そしてひとえに助けるといっても、どう助けるのか、その難しさも説いた哲学的な歌詞が印象的です


オススメはサビ

一見優しい出だしのAメロですが、Bメロがなく突然入るサビからは真に迫るメロディへの展開、花に例え悲痛の叫びを表す歌詞への導入があり、その転調が二つの側面を表すようです

特にタイトルでもあり花の叫びでもある「Water me!」は危機感がありつつも弱弱しい一面が見られ
それほど当人が差し迫った状態でも人は手を差し伸べるのか、その社会的問題が表されているかのようです

折々入る雫のような音も印象的であり、それは雨のように自然なものなのか、それとも手を差し伸べた証である人為的なものなのか
はたまた花自身の涙なのか、複数ある候補によりその状況が一転してしまい意味深長です


歌うなら?

一見何ともなさそうなAメロから一転するサビとのギャップのある歌い方が必要です
それは悲痛を表す感じでもいいですし、その中に弱った感じを混ぜるとより悲壮感が生まれ、この曲にマッチします

それでも手を指し述べる希望をAメロでは含ませ、歌詞に応じた歌い方と気の持ち方は意識したいところ

サビの「Water me」は一度目は叫び、二度目は更なる悲痛と死の危機にさらされている感情を露にするといったところでしょうか
ここに臨場感を持たせて曲の真髄を味わいたいものです

手を差し伸べること、そしてどういった方法を用いるのが正しいのか
人のこれらの問題に対する解決策に悩みは尽きず、それでも考え続ける
そういった奥深さを感じ、私達も他人ごとではないことを実感させる曲といえます

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back number 『花束』 メロディが最高なハッピー恋愛ソング

花束

2011年6月22日にリリースされたback numberの2枚目のシングル曲
恋愛に関する二人の微かな幸せや感情を描いたバラード曲です

歌詞が表すのは壮大なスケールの恋愛模様というよりは
ちょっとした幸せであったり、何気ない日常にある思いの繰り返しであり
そういった場面が共感できる人々から支持を受けた曲であるといえます

以前から失恋であったり恋愛に対して後ろ向きな楽曲が多かったのと比べると
今回のハッピーソングは異色でありつつも同バンドの新境地的な存在になるかもしれません

所詮自分は相手のバックナンバーであるという悲観的な考えから一転
前向きな思想をややミディアムテンポかつ素晴らしいメロディで描かれています


オススメはサビ

ギター一色の前奏から始まり、最初のAメロはなんとボーカルとドラムのみ
その静かさからどんどん盛り上がりを見せ、サビでそのピークを迎えるという構成です

サビを盛り上げるための適した手法であると共に、作りこまれたサビのメロディが人々の心にフィットします
それはまさにメロディの博覧会のよう、あぁいいなと思えるメロディがてんこ盛りな感じのサビであり
このメロディなら幸せな恋愛模様に共感しやすくなる人も多いのでは

最後の大サビでも転調による盛り上がりを見せ、最後はまた静かな演奏で終わりを迎えます
この潔いほどのギャップもまたいいですね


歌うなら?

この曲は決して壮大な恋愛模様を描いたわけではなく
日常によくある静かで小さな幸せの連続であるため、それ程意気込んだ歌い方をする必要もないかと

しかし序盤とサビの歌い方の強弱は付けた方が曲の雰囲気を表せるため
序盤は静かに、サビは盛り上がりを見せるために強く歌うと曲とマッチするでしょう

ややスローなリズムにしてはサビの言い回しはボチボチ含まれており
然程難しくはありませんが歌詞のリズムとりもある程度練習するとサビに余裕が生まれます

小さな幸せを描いたハッピーソング
メロディも素晴らしいのでひとつの曲として是非聴いておきたいですね

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福山雅治 『はつ恋』 絵に描いたような恋の苦しみを伝える曲

初恋

2009年12月16日にリリースされた福山雅治の25枚目のシングル
恋愛における苦しみや悲しみが伝わってくるせつなさマックスの曲です

曲は終始短調故に感じるものすべてが暗く儚く悲しい印象を受けてしまいます
こんな印象はまるで童謡「さくら」を聴いているときのようです

恋が実ったとしてもそれは徐々に歯止めのきかないものとなり
それが良い方向にも悪い方向にも導く衝動へと変貌する
それは分かっていてもとめることができない、それが恋というものであることを苦しみの面から伝わってきます

東芝液晶テレビ『REGZA』のCMソングであり
同テレビのコンセプト「記憶」からこの曲においては恋愛の記憶を主題として描かれています


せつなすぎるマイナーコードと曲の展開がこれまた悲しさを煽る

短調で一貫したせつなさを出すのを前提としつつも、1番と2番ではまた違った雰囲気を持っています
2番からはドラムが入りその衝動を表面的にしつつ、サビで更なる開放的な心の揺れ動きが見られるようです

ギターの鋭い音も場面では心の表れとして効果的に反映されており
単なるバラードだけにとどまっておらず抑揚のついた場面ごとに移り変わる心情がイメージされます

CMにおいてはせつなさ一直線のサビの一部分しか流れていませんが
いざ一曲を通して聴くと後半は全然違った印象と壮大さに心打たれるかもしれません


歌うなら?

しんみりとした雰囲気さはため息バリのブレスを用いても表現ができそうで
要はいかに人間らしく歌うか、誰でも経験したようなこの感情や心の揺れをどうメロディに乗せるかが肝心です

基本的に高音は用いませんが、Cメロにおいては抑揚のあるファルセットを用いた歌唱が盛り込まれており
この曲の見せ所のひとつでもあるため、哀愁で鳥肌がたつような感情をリスナーに浴びせたいものです

終始腹からの声を意識し、重みのある歌い方にしたいのもひとつ
どれだけ自分の今の感情が苦しいものか、それを相手に伝えるようないたたまれなさを感じさせたいですね

恋により味わう苦しみや衝動を遺憾なく伝えたこの曲
盛り上がりも見せるため、各所に渡って曲調を味わいたいものです

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高橋瞳 『あたしの街、明日の街』 せつなくハートフルな風景を思い浮かべる曲

明日の街、明日の街、

2008年6月4日にリリースされた高橋瞳の9枚目のシングル
せつなさと力強さを兼ね備えたロックバラードに近い曲です

イントロの強いギターの響きから始まったと思いきや、すぐにしんみりした静かな演奏に入り、サビではその力強さがまたみられるといった構成であり
この曲が持ち合わせる二つの側面がハッキリと別れて存在しています

タイトルは韻を踏んでおり、変えていくべき自分らしさと変わっていく街のせつなさの葛藤を描いたように見て取れます
見慣れた街を拠り所とするも、その風景がいつまでも同じということは叶わず

都市開発及び荒廃によりどんどん変化していくその姿に寂しさを覚えつつも、自分は変わっていかなければならない
そんな二つの心境が推察されます

また変動的な街でも、そこから見る夕日や空の移り変わりはいつ見ても不変的であり
変わるものと変わらないもの、それぞれの重要性の認識もしていくべき風に捉えられます

アニメ『図書館戦争』の主題歌でもあります


静と動、二つの顔が下りなす旋律

イントロとサビ、Cメロの激しさとAメロ・Bメロの静かな部分
この二つの側面の使い分けと入れ替わる場面が非常に多く、その分どちらも互いに引き立てあっています

しかしやはり静の部分により動の曲調にインパクトがより生じ、そこにグッとくるものがあるのはいわずもがな
心の躍動する感じがとても出ますし、メロディも激しい部分にもどこかせつなさを覚えるような敢えて少し綺麗さを濁したような旋律との印象を受けます

綺麗ごとだけの曲ではないと個人的に思いますし、自分のブルーな気持ちを変える、というよりは変えようと奮闘する様が効果的に表れています


歌うなら?

上記の通り、静と動の二つの使い分けが要であり
曲調に合わせ心のオンオフといった感じを出し、メリハリのある歌い方にしたいところ

静が動を、動が静を互いに際立たせるような関係性を出すため、各フレーズを表す曲調に全面的に従うような志が展開を有利に進めるでしょう

サビは程よく高音が続くため、サビの最後まで声が続くようにしたいですが
高音のパートが長いため、時折裏声を使ったり、最後のフレーズの次はまた静なのでそれを醸すように裏声を用いても悪くはありません

またサビのあとのCメロのラスト「夢を追うってことを」の最後は裏声の方が次の静にうまくつなげることができます
まぁまたすぐにサビに入るわけですが

しんみりと力強さの両方を全体的に味わうことができるこの曲
自分が育った、あるいは心に残った風景を思い浮かべながら一曲いかがでしょうか

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一青窈 『「ただいま」』 帰る場所の存在の重要性を考えさせる曲

ただいま

2007年12月5日にリリースされた一青窈の10枚目のシングル
曲名通り、自分が帰る場所の存在の大切さを認識する曲です

ピアノ伴奏の明瞭な鍵盤音から始まり、合唱コンクールにふさわしそうだと思いきや
曲のコンセプトを伝えるためのサビのメロディとテンポが結構複雑でやはり向かないかなと思いつつも脳内をグルグル巡るような旋律は特徴的です

タイトルは帰宅時の掛け声「ただいま」と今ここにいる自分「ただ、今」の2つの掛詞となっており
ただいまと言える場所がある自分の今の状況を改めて実感する重要性の強調がうかがえます

ドラマ『愛のうた!』の主題歌であり
複雑な家族関係の中親子の絆を育み、真の意味での自分の場所をつくっていく展開に曲がマッチしています

ちなみに同曲のタイトルは鍵括弧をつけるのが正式であり、「ただいま」と表すのが適当です


情景を表す歌詞と心に残る短調な旋律が印象的

歌詞自体はメッセージをそのまま伝える手法はあまりとられず
情景を表しそこから当事者の現状や感情をイメージするやや小説的なつくりとなっています

「運命につねられた赤い目のわたし」「別々の電線で2人、して口をつぐみ」のように
思った通りにいかず目を真っ赤にして泣く姿と2人が違う電車に乗っているように思いをひとつにできず、それを是正しようにも開口できずにいる

しかしやはり自分が帰れる場所の存在を欲しており、それは直接的な意味の家であることが表面的ですが
実際は心の拠り所、家族や親しい友人など、人の心の中にその居場所が存在することこそ重要と言えます

つまり一口に「帰る場所」といっても、それは視覚的なものではなくあなた自身が相手の帰るべき場所自身であり、逆もまた然りである
そうやって相手の拠り所となりなってもらうためには、長い年月をかけた信頼や家族愛などがあってこその賜物といえます
それが悲観や叱咤こそあれど、それら全て含めて「愛」といえる行為であるのが理想なのでしょう

そういった複雑な心中を表現するようなメロディが本作品で奏でられているといえます


歌うなら?

こういった情緒的なメッセージソングは、自身の経験を乗せて歌うのが最もそれらしく響きます
相手との気持ちの行き違いは不完全な人間であればだれでも体験するもの
それでも改善していきたいと奮闘していた自分のあの頃を感慨深く思い出せば、それがこの曲の持ち味となります

友達、恋人、大きなところでは家族、自分の拠り所を思い出してそれを表現していきたいです

この曲はサビの音程の揺れ幅がとても大きく、心情を乗せつつも音程はできるだけ外さず
必要ならば曲のテンポを自分なりにズラしてもよいので音階にはある程度忠実でありたいです

またテンポを遅めにズラすとその曲自体に重みが加えられるので
コンセプト的にもさらに味のある曲調となりむしろ一石二鳥といえます

帰るべき場所の存在を改めて考えさせるこの曲
そんなドラマチックさは自分に自信をもつことにも一役買ってくれそうです

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平井堅 『楽園』 叙情的な哀愁を超えた曲

楽園

2000年1月19日にリリースされた平井堅の8枚目のシングル曲
叙情的でメロウな曲調であり、哀愁を超えた感慨深さを聴く人に印象づけさせます

平井堅が歌手生命を賭けシンガーソングライターからヴォーカリストとしてこの曲に身を投じ
その後ヒットを打ち立てた曲であり、曲の構成や細かいところへの気配りが秀逸です

曲のノスタルジックな雰囲気はベースとして維持しつつも、各シーンにおける微妙な展開も高評価であり
サビに突出した盛り上がりはないですが、安定して世界観に浸れます

オススメはイントロ~Aメロ

イントロから哀しいイメージがギターなどで表現されており、楽園といえばこの入り方がとても印象的です
このイントロがなければ楽園じゃないというくらい、イントロの特異性にはすぐに虜になる人も多いかと

Aメロのメロディも好みであり、初っ端からファルセットを用いた哀愁漂う曲の表現と声質は素晴らしく
ここ辺りまでで既に心奪われる人が大半、その後は安定した曲調で最後まで聴きつづけることができるでしょう

つまり楽園のメインは最初の部分だと個人的には思っています

歌うんなら?

大体はイントロが流れることでこの曲の世界観の大半は用意されたようなものなので
あとは叙情的な表現を声質と歌い方でどこまでカバーできるかが肝心です

カバーといっても歌がメインであることには変わりないので、平井堅の哀愁を表現するにはその人の声質が左右され
歌う人材は限られているかもしれません

ちょっとでも明るさは見せない方が曲の雰囲気を出すことができる点で、常に歌い手は哀愁を漂わせていねければならない始末
5分30秒以上それを保つことができるかどうかにかかっています

平井堅の名を知らしめる代表作となったこの曲
感傷に浸りたい場合はたまに聴いてみるのよいでしょう

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kōkua 『Progress』 重低音響くロックバラード

progress

2006年8月2日にリリースされたkōkuaのシングル曲
スローテンポで繰り出される重いビートと共感しやすい歌詞が特徴的です

NHK番組「プロフェッショナル 仕事の流儀」の主題歌であり、これを作成するにあたり結成されたバンドでつくりあげられました
パイロット版を除き2006年より放送開始されてから現在まで、不動の主題歌として流れ続けることも他番組では稀です

表面上は難解なセリフを使用するでもなく、むしろ多少赤面の、かつ共感できそうな言葉選びによる世界観の共有を図っており
その歌詞は国語の教科書にも掲載される程

とはいえ言葉のチョイスが節々で絶妙であるのも否めません

全体的にベースとドラムの重い日々が印象的な曲であり、そこにストリングスを絡めることで奥行がある曲となっています

kōkuaはハワイ語で「協力する、協調する」という意味

オススメは前奏、歌詞

前奏から重い雰囲気をつくりあげるベースとギター
そこにピアノが入り混じりドラムとストリングスによるスローテンポかつグルーブ感溢れる演奏がスタートします

この時点で惹き込まれる可能性が高く、その後は演奏と歌詞の世界観に酔いしれることでしょう

「歌詞」というと全体的過ぎて大ざっぱ、オススメという言葉がそぐわないかもしれませんが
それでも他者、あるいは社会に対する優越感・劣等感の表れ
それと半永久的に付き合い自分に鞭打ち進み続ける人生を、共感しやすいく半ば恥ずかしい直球的な言葉で表し続ける構成
どこをとってもあぁそうだな、と共感の思いで一杯だと個人的には感じます

「本当はシメシメと思っていた」「理想の自分てもうちょっとカッコよかったけど」
そんな他人には言いたくない感情が描かれており、それでも甘酸っぱい挫折に対し、ミライだと感じられるものに少しでも近きたいものです

歌うなら?

まずスガシカオの時点でこのハスキーで特徴的な声で表される世界観を表現するのは至難
しかし共感しやすい歌詞をバックに、自分なりの経験を交えて表すことができれば、少しでも曲に近づくことは可能かと
歌っている途中にホロリときても構いません

スローテンポであり早口な部分も少ないですが
その分歌う際のリズムとりで曲の雰囲気が大きく変わります

延ばすとこは多少延ばしつつも、ある程度スタッカートを使った途切れるような歌い方も必要かもしれません

Aメロやサビに入る手前は、場面場面を区切りあるものにするため、そして演奏に合わせるために歌を一度きりよくするのも手です
8ビート叩かれるドラムを自ら連想して歌う感じです
でないとリズムにムリに合わせるようになり、曲の表現がおっつかなくなります

不動の名曲であるこの曲
人の心に残る歌詞とメロディ、今でも聴きつづけています

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川島あい 『ドアクロール』 人の弱さを認め、成長と人とのつながりを大切にする曲

ドアクロール

2007年12月12にリリースされた川島あいの15枚目のシングル曲
未熟ながら変えていきたい人の弱さや思いを綴った曲です

「クロール」とは「這う、徐行する」という意味であり、人の進歩はそれ程はやいものではなくても
少しずつ成長していく様を、成長の「ドア」を次々開けていくことに準えたものでしょう

歌詞においては序盤は人の弱さ、足りない部分を述べ
そこから人生において避けて通れない人とのつながり、自分の成長を著し
終盤においてもこれからも開いていないドアは幾度となく存在する、それを共に開けていくパートナーの存在も示唆しながら
自分の成長は人と比べることではなく人と共に歩んでいくことにある、というメッセージを乗せています

曲調はしんみりとしつつも、サビ・Cメロにおいては広大さあふれる演奏が特徴できです

wii『チョコボの不思議なダンジョン 時忘れの迷宮』のテーマソングであり
同曲のPVにもこのゲームの映像が一部流れる描写があります


オススメはサビ

川島あいの「天使の歌声」とも評されるハスキーな声がサビでも如何なく発揮されます
発揮というよりは、切なさが全面的に押し出されているような、哀しげでもそこからすすんでいくという強い思いが内から伝わるようです

ドアは人の内にあるもんでしょうが、サビにおいては広大な草原もしくは空が思い浮かび
そこが人の心を表しているとすれば、心の広大さは誰しも持っており、それはドアの向こう側の世界なのか
はたまたその広大さをドアという仕切りで隠すことはできるのだろうか

広大さと密閉さの相反する空間が交差するようです


歌うなら?

歌詞が人の心の変化、パートナーの存在という環境の変化を表しているのなら
その描写をこの歌の変化の参考とし、それに見合った緩急のある歌い方にするのが望ましいです

序盤の人の心の弱さを表すフレーズはしんみり切なく、哀しく
1回目のサビにおける弱さを認め、前に進みたい想いを表すフレーズは、その希望、願いを唱えるような、届けるような歌い方が合います

この曲はAメロ・Bメロ(人の弱さ)がそのまま繰り返されず、2回目のサビも1フレーズ短いため
前回とは違う思いがあることも彷彿とさせることを踏まえると

2回目は弱さを認めると共に、次の大事な順序、共に歩む人の存在についての歌詞になるため
1回目より余程元気に、その可能性を見据えるような歌い方がいいです

しかしサビ終わりには疑問形が歌詞に入るため、一度心の迷走が起こる描写を歌い方にもとりいれ
少しの不安を表せればよいでしょう

最後はまた自分の更なる可能性を持ったシーンであるため、爽快に、純心な気持ちで歌うのがふさわしいです

このように非常にストーリー性がありはっきりしているため、各シーンのポイントを押さえればスムーズに歌えます

弱さを認め、人とのつながりを大切にする
ドアに例えた人の成長の段階とその天使の歌声を一度味わってみてください

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スキマスイッチ 『アイスクリーム・シンドローム』 切なさを思わせる曲

アイスクリームシンドローム

2010年7月7日にリリースされたスキマスイッチの13枚目のシングル曲
告白したくともできない時間の経過からアイスクリームも溶けてしまうという症候に陥っているというタイトルとなる

タイトルの通り、歌詞は告白できないもどかしさを綴ってあり、曲の雰囲気もどこかさびしさを思わせるような感じとなり
前半の雰囲気はスキマスイッチの十八番であるギターとピアノの奏でそれが表現されています

サビ1は静かに、サビ2は心の内を打ち明けたい感じをだし、そこから転調しクライマックスに向かう構成となり
曲の透き通る感じが表現されます

「劇場版ポケットモンスター ダイヤモンド&パール 幻影の覇者 ゾロアーク」の主題歌であり
ここでいう愛情は親子感を表しているだと思われます


オススメはサビ2~大サビ

転調はその曲の盛り上がりをピークに到達させるための有効な手段ですが
この曲はさらに地声と裏声をうまく使いそれらを表しています

1回目のサビは裏声、2回目は地声を使い曲を表しており
そのまま転調すると共に透き通るような裏声を使ってシンドロームの頂点へと参ります

アイスのようなベッタリ感というよりはむしろ透明性の高い水中にいるような感じです


歌うなら?

スキマスイッチの静の部分、「奏」「藍」のような清涼感をある程度維持する必要があります
ロックのように感情を出しすぎず、サビ2においても感情を出しつつもどこかまだ隠しているような感じが必要でしょう

告白できないもどかしさ、自分の内ではそれを出しても表には出せない状態を表す感じです
故に歌い手は、いわゆる不完全燃焼を聞き手におわせるのが適切でしょうか

スキマスイッチの独特な、1フレーズ毎終わり部分を巻いたような歌い方はなかなかマネできないので
自分の抱いた清涼感と寂しさを表現できればよし
号泣というよりは、少しホロリとくる哀愁程度がマッチしているかもしれません

スキマスイッチはこういった曲の雰囲気が少なくないので
他の曲も聞いてワールドに浸ってくださいませ

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supercell 『君の知らない物語』 星と恋を主題とした切ないソング

君の知らない物語 supercell

2009年8月12日にリリースされたsupercellの1枚目のシングル曲
天体観測をテーマとし、女性の想いを伝えようとする切ないソングです

夏の大三角形や織姫・彦星などのワードから、夜空に光る星の数々が登場し
それと少女の伝えたいけど伝えきれない心境がマッチしています

つまり言えない不安や孤独感を心の暗闇の部分、言いたい想いを光と照らし合わせ
星はきれいだけど結局は伝えきれない、故に君の知らない物語が繰り広げられているのです

巷ではBUMP OF CHICKENの『天体観測』を想像させる内容の歌詞が多く含まれていますが
それが意図的なのかはどうかは考察の範疇ではないのでスルーで

アニメ『化物語』の主題歌であり、初回限定盤には同アニメのクリアステッカーが同梱されています

オススメはピアノ

ピアノはこの曲においては重要な位置を占めており
イントロから間奏に至るまで終始ピアノ伴奏がメインとして含まれています

ピアノの弾ける高音は曲に眩く光を与えるような効果をもたらし
この曲のコンセプトである星を彷彿とさせ、とても印象的です

ハイテンポで義た演奏も目立ち、一見荒々しさも窺えますが
この曲の本題は星をイメージとして少女の伝えきれない想いを奏でる曲、荒さは不安を表すだけに留めたいところ

ピアノがそれをちらつかせつつも主題を全面的に押し出し、闇の中できらめく星が視界に広がる様が映し出されるわけです

夜空は基本的に暗闇の方が割合は多いですが
この曲は光≧闇の割合だと個人的には思っていますが、果たしてどうなのか

歌うなら?

女性の伝えたい想いはある程度の力強さも必要です

歌詞について、Aメロに関しては星についての描写が多いため、純粋に観測を楽しんでいる風景がうかがえ
それに関してはそこまで差し迫った状況は要りません

問題はサビであり、伝えたい想いは特にサビにかけて描かれているため
サビは星の瞬きと伝えたい想いを同時に表わすような、つまりAメロの歌い方に差し迫る、力強さがちらつかされる歌唱が必要となります

Cメロの「君の隣外い」に至っては届かない想いを心底伝えたいあまり、ブレス全開で物寂しさを思わせる歌い方があり
ここがこの曲において、静かですが一番の聴かせどころだと自負しています

ここのハスキーさをどう表すかをポイントとして押さえておきたいところです

星を見る楽しさと、伝えたい寂しさ両方が感じ取れるこの曲
共感したい方は是非必聴です

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